2004年 12月 12日
家に帰ったらガチャピンが寝ていた。
家に帰ったらガチャピンが寝ていた。

あまりに唐突な展開なので一瞬戸惑ったが、とりあえず客人なのだからもてなそうとお茶とお菓子を持って来て起こしてみた。ガチャピンは眠たそうではあったが、僕に気づいたのか、襟を正し、きちんと正座して丁重に僕の歓待を受けた。お互い初対面なので何を話していいか迷ったが、お互い巨人ファンと言うことで意気投合し、清原の去就問題などで盛り上がった。

話の途中、ガチャピンはお手洗いに向かった。その間、あれこれと現状に対する思索を巡らせていたが、ふと、ガチャピンがちゃんと便器に向かって綺麗に用を足せているかどうか不安になったので僕もトイレに向かった。トイレまで行ってみると、ドアの前でガチャピンは抜け殻のようになっていた。僕は何も見なかったことにして、とりあえず綺麗に用は足せているだろうという漠然とした安堵だけを覚え席に戻った。ガチャピンは用を済ませたのだろう、涼しい顔をして部屋に戻ってきた。いや下痢気味でね、とガチャピンは言ったが、僕は話題をそらした。

かれこれ二時間は話しただろうか、一通りの話題も終え、ガチャピンは僕を外に連れ出した。お気に入りの場所があると言い、ガチャピンは車に僕を乗せ走り出した。着いた場所は寂れた公園だった。無邪気に遊ぶ子供や日向ぼっこを楽しむ老人達で埋め尽くされていた。

やはりガチャピンは人気者だ。子供達が自然と群がってくる。しかし、ガチャピンは彼らを気に留める素振りもない。いつもは営業スマイルなのだろうか。煙草の煙をくゆらせながら、ただ無言でベンチに座った。本当は子供嫌いなんですよ。そんな衝撃的な発言をも淡々とした口調で語るガチャピンの目はどこか悲しげだった。僕は静かにガチャピンの煙草に火をつけた。その日の空は突き抜けるように青く爽やかで、それがかえって僕らの心を責め立てた。初冬の風は思ったよりも冷たかった。
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by bi-ya | 2004-12-12 05:54


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